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【古の記憶】-act40-

2008.05.14
【古の記憶】-act40-



数日後。
アシェスナーダは、父の部屋に居た。
彼女の口元には、薄い笑み。対照的に父の表情は、硬いものだった。


「───何のつもりだ。末の娘よ。」

いつもどおりの抑揚のない、淡々とした声。
この父は、感情を露にする事はない。
それでも父の意にそぐわない事は確かだろう。
アシェスナーダは真っ直ぐに視線を父へと向けた。

「───私の世界だもの。私が守るわ。」
「愚かな娘だ。お前もまたノユーエル同様に、世界へと堕ちるか。」
「───構わないわ。」

暫しの間の後、父の視線は『世界』へと落とされる。
つられる様に、アシェスナーダの視線も、そこへと流れた。

緑成す大地。青く澄んだ空と海。流れる雲。
その世界の様々な場所が、二人の目には良く見える。

そこにあったのは、『滅びの種』───人、と。
『目覚めの種』───魔物、だった。

「・・・滅びの種の仕組みは、判っているわ。
私、調べたのよ。無尽蔵に時を選らばず種を増やし、天敵と呼ばれるものを持たず、そうして『全てが自分たちの為にある』と思い込まされた種。
なら・・・・。天敵を与えればいいわ。
その数を減らして。
私の撒いた『目覚めの種』は、やがて滅びの種すら、世界の中に組み込むでしょう。
目覚めの種は架け橋。いつか世界の声を聞く日が来るかもしれない。
そうしたら、私の勝ちよ。

───お父様。」

淡々とした父とは対象に、末の娘の声は、何者も恐れない、強い意思の輝きを持つ。
父の視線が、娘へと向けられた。

「───やってみるが良い。
もしもお前が私に勝ったのなら・・・。
お前に戻る権利を与えよう。」

父の手が、ゆっくりと自分に向けられる。
視線は、外さなかった。

───構わないわ。堕とされても。


やがて、軽い眩暈にも似た、吸い込まれるような感覚の後───






アシェスナーダは、『世界』へと落とされる。
ノユーエルと同じように。
自ら生み出した『滅び行く世界』へと。
落とされた彼女は、その世界で産まれ来る。
全ての記憶を奪われて。






───世界の一角で産声が上がった。
それは、アシェスナーダが『敵』とした、『人間』の姿だった。



to be continued・・・・・


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Comment

毎度、初コメを入れてしまうことに気後れしつつ。

アシェスナーダ、人間として自分の世界に転生ですかっ!!
意外でした&今後の展開にどきどきです。

いき♂様
えへへww
ありがとうございますっww

今後の展開は〜〜〜・・・・(ぉ?)

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