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【古の記憶】-act37-

2008.05.10

【古の記憶】-act37-


妙な胸騒ぎに、アシェスナーダは顔を上げた。
重苦しい空気。不意に湧き上がる胸を締め付けられるような、罪悪感。
───漸く、アシェスナーダは、はっと自分の作り上げたその世界へと、視線を落とした。

夢中に、なりすぎた。

まるで宝石の様に、美しく満たされたその『世界』。
少しだけ、少しだけと、いつの間にか、膨れ上がったそれは、眩いばかりにその存在感を溢れさせ、それは同時に、他の世界への影響を如実に物語っている。

いつの間にか、父に強請ることも、姉の部屋へ通う事も忘れ、没頭してしまっていた。
ガタガタと手が震える。
指先が氷の様に冷たい。
鼓動の音が、やけに耳障りだ。

───気づかれた。

それは、予測でも憶測でもなく、事実。
父に気づかれないはずは、万に一つもありえなかった。

何故なら、自分はこの世界同様に、
『父に創造された存在』なのだから。

急がなくては。
アシェスナーダが、父呼ばれ、処罰を受けるのは時間の問題だろう。
その前に、少しでも。

この、世界を
守 ら な く て は 。


逸る気持ちを飲み込み、そっとアシェスナーダは【世界】に触れる。

「ごめんね・・・?」

呟きは、雫となって頬を滑り落ちた。
過ちを悔いた所で、手遅れなのは明白だ。
この【世界】は、父によって滅ぼされるだろう。

でも。
愛している。私は、この世界を。だから───

アシェスナーダの瞳が、強い意志を放つ。
守って見せるわ。
例え、父に刃向かってでも。

すぐさま、アシェスナーダは行動を起こす。
それは、父であり、自らを生み出した創造主への反逆。
『滅びの種』が、落とされる前に───


やがて。
遠くで悲鳴が上がる。
ノユーエルの声だ。

次は、私の番・・・・。
しっかりと世界を抱きしめたアシェスナーダの耳に、ノックの音と、硬い、姉の声が届いた。

「アシェスナーダ。・・・お父様がお呼びです。」


to be continued・・・・・

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Comment

No title

うわ、単なるお説教じゃなさげですね。
ものすごい緊迫感が……!

いき♂様、いつもコメありがとうですーーw
何気に先が見えていそうなこの展開、もぉ自己満足でごめんなさい状態だけど、ちまちま更新がんばりまーす♪

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