小説メニュー

【古の記憶】-act36-

2008.05.09

【古の記憶】-act36-


はじめは慎重に、少しずつ。
けれどそれも回を重ねるごとに、その量は増え、積み重なった力は、やがて世界全体の均衡を及ぼし始めた。
世界創造に夢中になっているアシェスナーダは、まだこの時、この事態に気づいてはいない。



薄暗い、星の海を纏った部屋の中、ナタシーアと父は、テーブルを挟み、向かい合っていた。
ナタシーアの表情に浮かぶそれは、普段は見せることの無い、酷くおびえた様な、悲しむような、不安に満ちた表情。

「───力が流れていると?」

書類に視線を落としたまま、父の低く静かな声が響く。
書面を捲る音が、やけに大きく聞こえた。

「───はい。申し訳ありません。お父様」

ナタシーアは消え入りそうな声で、そう答えると、深く深く頭を下げた。
力の行方は、すぐに判明した。
というのも、『決してあるはずのない場所』から漏れていた力が、自分の世界へ与えられるべき力であることを、気づかぬはずは無い。

───なんということをしたの・・・・。
ナタシーアの顔色は、紙のように白くなり、指先はかたかたと震えた。

「ノユーエルは、創造から外す。此度の失態は、あの娘によるものだ。」
「───お父様、それは───!」

慌てて顔を上げたナタシーアに、冷たい父の声が刺さる。

「───私が気づいていなかったとでも思うのか?」
「・・・・。いいえ・・・。いいえ、お父様。」

もはや、ノユーエルも、アシェスナーダも、庇う事は叶わず、ナタシーアは、深く深く、項垂れた。
今にも崩れ落ちそうな娘を、父は淡々とした目で見下ろし、静かに口を開く。



「アシェスナーダの犯した罪は重い。愚かな娘に───相応の罰を与えよう。」


to be continued・・・・・

next≫



ご協力お願いします♪

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

タグ : ファンタジー 小説

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Comment

No title

お父様きびしいっっっ!
当然か。。。

No title

この辺にも色々あったりして(ぉ)
続き、がむばりますっ☆

Comment form

チェックを入れると管理人以外は閲覧できません