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【- Twilight Mirage -】-2-

2008.04.28


「お。こっちこっち! 遅かったじゃん。」

空から、妙に明るい月が見下ろしていた。
時折掛かる雲が、僅かな月明かりを閉ざす。

空想的な事を信じられるほど、子供ではないけれど、闇夜に浮かぶ校舎は不気味だった。

鉄格子の様な校門の前で、シンが手を振っている。
ビビっていると思われたくなくて、俺は平然とした声を出した。

「わりぃ。お待たせ。」

よぅ、っと手を挙げ、シンに近づく。

「おっしゃ。じゃ、早速行きますか。」

シンの声は能天気だ。
本当はコイツも信じてないんじゃないか?
なんだか俺のほうが信じているみたいで、少し恥ずかしかった。

真っ暗なアスファルトの道を、足音だけが響く。
時折、犬の遠吠えと、遠くで光る車のライト。
月明かりに浮かぶ校舎のシルエットは、まるで巨大な墓標の様だった。

広い校庭の周りに張られた柵を、ぐるりと回る。
まだ、僅かに畑も残り、小さな林もある田舎町だ。
まだ、10時だというのに、人の姿は無い。

岡島の言う 『神隠しにあった野球部員』が、飛ばしたボールを取りに入ったという雑木林は、校庭沿いの道路に面し、学校の先まで続いている。


「この辺のはずなんだよな。」

シンが懐中電灯をつけ、雑木林を照らした。
『自然保護区』と書かれた看板が、白く浮き上がる。

雑木林は結構でかい。
向こう側までは、50m以上はあったはずだ。
林の向こうで、車のライトが 小さく移動していった。

「・・・なんも起こんねぇって。
そりゃ、時間が時間だから薄気味悪いけどさ。
ただの雑木林だろ?
もし、本当にそんな事が起こってたのなら、今頃新聞に載ってるって。」

内心、何か出やしないかとバクバクしていた俺は、早めに切り上げたくて、そう切り出した。
努めて平静を装って。

むぅ、とシンが頬を膨らます。

「こっからじゃわかんねぇじゃん。
奥の方、見に行ってみようぜ?」

奥の方・・・?
俺は鬱蒼と茂る雑木林の奥へ目を向けた。




to be continued・・・・・


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