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【- Twilight Mirage -】

2008.04.27

「事実は小説より奇なり」。

昔の人は、上手い事を言ったものだ。
以前の俺なら、絶対に信じたりしなかっただろう。
実際に体験をした自分自身ですら、あれは夢だったのではないかとさえ思える。

確かな証拠が、この手に残っていなければ────



- Twilight Mirage -


「知ってるか?」

発端は、同じクラスのシン、だった。
オカルト好きのシンは、事ある毎に、こうして下らないネタを持ち込んでくる。
いつもの学校の帰り道の事だった。

「知ってるって何をだよ?」

またか、と内心思いつつも、俺はいつもの様に聞き返した。
どうせ近くの廃墟に幽霊が出ただの、学校のどこそこ室ですすり泣きが聞こえるだの。
大方そんな所だろう。

シンはまるで、大切な秘め事であるかのように、あたりを見渡すと声を潜めた。

「西高の裏の林なんだけどさ・・・。あそこ、ヤバイらしいって・・・」




────────やっぱり。

「あ。そう。」

ハイハイ、と肩をすくめ、俺は先に立って緩やかな下り坂を降りていく。
シンが慌ててついてきた。

「あ、信じて無いだろ? 今度はマジだってば、オオマジ!」

これまたお決まりの文句を言いつつ、お決まりの動作で、シンが両手を広げてみせる。

「西高の岡島って知ってるだろ?バスケ部の。アイツから聞いたんだけどさ。」
「何をだよ?」

シンは良いヤツだが、何かにつけて、この手の下らない噂を聞きつけては持ち込んでくる。


────おめでたいヤツだ。
残念だが、俺はシンほど夢を見れない。

夢なんざ、見てたって飯くっていけねぇんだよ。

俺の気持ちを知ってか知らずか、シンはワクワクとした表情で話を続ける。

「それがさ、あの林に入ると、神隠しにあうんだってよ。」
「・・・・・・・・・・はぁ?」


・・・・アホかこいつは。
あまりの内容に、俺はおもわず足を止めた。

俺の気持ちなどお構い無しに、シンは楽しそうに話を続ける。

「なんでも以前野球部のヤツが、ボールを取りに行ったっきり行方不明になってさ。 
何年も経ってから、行方不明になった時と同じ歳、同じ格好のまま突然戻ってきたんだと。
ソイツの話では、林に入った後、出口が見つからなくて、1時間くらい彷徨って帰ってきたって言ってたらしいんだよ。
つまり、ソイツにはたった1時間。こっちじゃ数年過ぎてた、と。
これって凄くねぇ?ファンタジーだぜ、ファンタジー!」


ついに頭がいかれたか。
それはファンタジーというより、浦島太郎だろ。
妄想も、ここまで来ると哀れになってくる。
もし、岡島がそれを信じてるとしたら、アイツもヤバいな。

そして、決まってシンは、言い出すんだ。
苦虫を噛み潰した表情の俺に構うことなく、案の定シンが俺の前に回り込む。

「なぁ、俺たちで調べちゃおうぜ!」

俺は二度目のため息を付く。

「仕方がねぇなぁ。」


俺は苦笑を浮かべたまま、軽く肩をすくめて見せた。
まぁ、いつものパターンだ。
すっかり慣れてしまっているし、どうせ家に帰ったところで、何もすることがない。

下らないと判っていても、暇つぶしにはなる。

「お前なら、そういってくれると思ったよ。」

シンが嬉しそうに笑った。

「じゃ、今夜10時、西高の校門の前でな。」
「ああ。じゃ、また後で。」

分かれ道まで来ると、軽く手を挙げ、シンは別方向へ駆けていった。

俺はゆっくりと自分の家へと向かって歩き出す。
やれやれ。
俺もなんてお人よしなんだ。

西高までは、家から自転車で30分程度。
風呂に入って、それから家をでれば、丁度それくらいだろう。

この時俺はまだ、『いつもと違う日常』
実際にこの俺に降りかかることになろうとは



────まだ、夢にも思っていなかった。


to be continued・・・・・

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PLあとがき

館ノベゲをやった人は、コラマテと思うでしょう^^;

はぃ、あたりです。これ、以前作ったノベルゲーム、「幻想夢現館」の書き直し。
まぁ、あれに比べてかなり中身は削除してますが。

ちょっとこれには企みも含んでますw
それが何かは、この先のお楽しみ♪

タグ : ファンタジー 小説

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