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【古の記憶】-act28-

2008.04.27

【古の記憶】-act28-
-side-mist-

香る深い緑の風も、波のようにさざめく草原も、人の住まう地独特の匂いや雑音は一切なく、ミストは草を踏みしめながら、ゆっくりと森を歩き出した。

時折見え隠れする小動物。
驚いたように、一斉に飛び立つ鳥の群れ。
この地においては、まるで自分すら、人間と同じ侵略者のようで。
絵画に落とした染みのようで。
自分だけが、異質に思えるのは、長く人の世界に踏みとどまったせいだろうか。
小さく自嘲をすると、ミストはゆるりと顔を上げた。

木々の向こうに、小さな古ぼけた建物が見える。
それは丁度あの日のように。

上げた顔を伏せると、その館に向かい、ミストは足を進めた。




あの日と同じように、その館は静かにそこに佇んでいた。
錆の浮いた門に手を掛けると、ゆっくりと押す。
ギィ、と鈍い音と共に、錆の為、甲高く耳障りな、金属の擦れる音が響く。
苔むした石畳と、腰の辺りまで伸びた雑草と、館を飲み込まんとするかのように覆い尽くす蔦が、その館の気の遠くなる年月を物語っていた。

重たい扉を開けば、あの日同様の埃と蜘蛛の巣で、覆われたエントランスが見える。
昼間だというのに、薄暗いその中へ足を踏み入れれば、1つずつ、窓を開けて回った。

以前一度訪れていたこともあり、大よその場所は記憶している。
ミストは軋む階段を、上へと進む。
目当ての場所は、この屋敷の書庫だ。
この世界の残留品であり、尚且つ、どういうわけかこの館の中だけは、他の様に老朽化をしていない。
書庫の扉を開くと、何処か懐かしい、そんな匂いが包み込んできた。
高い棚に、びっしりと収められた本の数々。

当分は、飽きずにすみそうだ。

ミストは小さく笑みを零すと、入り口に最も近い、表題のない本へと、手を掛けた。



to be continued・・・・・


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ジャンル : 小説・文学

タグ : ファンタジー 小説

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Comment

No title

ふむ、しばらくは読書に耽るんですかね〜。
ミストは何か面白い物でも見つけられるでしょうかw?

応援ポチっと押していきますねw

No title

ギン様、こんにちはーーw
ちょっとでも期待に添えられるようにがむばりますっ!
応援有難うございましたっwww

No title

> 館を飲み込まんとするかのように多い尽くす蔦が、
覆い尽くす、でしょうか。

老朽化していない洋館。ミステリアスです^^

No title

Σぁぎゃーーーー!やっちゃった!!
あたりですぅ〜TωT
修正しました、ありがとうっw

少しずつ、この洋館の真相や、世界の真相が明らかになっていく予定w
ミラーサイドに突入も、もうちょっと、ですw

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