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【古の記憶】-act13-
2008.04.02
【古の記憶】-act13-
───それは。
まさに悪夢としか、言いようのない日々だった。
手足には太い杭が打ち込まれ、翼は切り取られ、生きたまま、鱗が1枚、また1枚と引き抜かれていく。
鋭い爪も、角も、牙も。
身動き1つ出来ないままに、数日かけて奪われていく。
どんなに泣き叫ぼうと、誰も助けは来なかった。
あふれ出す血も、巨大な管を通し、何処かへと運ばれていく。
激しい痛みに何度も気を失っては、またその言葉に出来ない痛みにより、現実へと引き戻される。
舌を切られ、腹を割かれ、少しずつ、体の機能が奪われていく。
けれど、核が傷つかない限り死ぬことのない竜は、その間の痛みをずっと与えられ続けた。
────核を、壊して。
────このまま、殺して。
願いは、もうそれだけだった。
絶望と痛みと苦しみと。
それは、永遠に続くかと思われた。
すでに、肉塊に等しいまでに奪いつくされた竜の元に、見慣れない兵士がやってきたのは、あの日から1年程経過した頃だった。
その男は、見張りの交代の最中、小さなのこぎりのようなもので、竜の手足を固定する杭を、少しずつ、少しずつ、削り始めたのだ。
やがて奪いつくした兵士達がその場を去っても、その男は竜の元へとやってきて、網を裂き、杭に傷をつけ、自らの腕に傷をつけるとわずかばかりの血を、竜へと与え続けた。
少しずつ、少しずつ。
竜の体が再生を始める。
数ヶ月で、竜の体は元の姿へと戻っていった。
痛みが漸く癒えた頃、竜は深い、深い、眠りへと落ちていく。
────100年ほど経過し、竜が目覚めた時。
彼女から、あの悪夢の記憶は、綺麗に消え去っていた。
いつの間にか姿を消していた、その男のことすらも────
to be continued・・・・・
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